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ナポリ

2015年10月23日

Italyii編集部

【コラム】ナポリの眺望と優雅な王宮、そして名画を一度に味わえる「カポディモンテ美術館」

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丘の上に佇む国立美術館。宮殿内には数々の名画が収められています。

ナポリにたたずむ美術館には、多数の名画が収められています


活気に溢れたエネルギッシュな港町ナポリ。
人と車がひしめき、細い路地には所狭しとピッツェリアやバルが並ぶ喧噪の下町巡りも楽しいけれど、少し熱を冷ましたい、そう思ったら迷わずカポディモンテの丘を目指しましょう。

「ナポリを見て死ね」とも言われるほど美しい眺望を持つナポリの街には、いくつかの丘があります。
そのうちの一つ、カポディモンテの丘に建っているのが国立カポディモンテ美術館。

雑多で賑やかな下町とはうって変わって、丘の上は手入れの行き届いた芝生に木々が茂り心地よい海風が上がってくる静かな公園となっています。
敷地から眺めるナポリの街はやはり美しく、その眺望を楽しみながらのんびり過ごしてクールダウン。



カポディモンテ美術館は、ナポリ・ブルボン家のカルロ7世によって18世紀に建設が始まり、100年かけて完成した元王宮の美術館です。
母方のファルネーゼ家から受け継いだ美術コレクションを収蔵、展示する目的が主となりました。
火山岩由来の石造りの柱は堅牢でいて優雅さを失っておらず、赤色の壁が特徴的です。


参考イメージ:

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優雅な内装と、数々の名画にウットリ…


内部に入ってみると、一際目を引く大階段の列柱はパェストゥムの古代ギリシャ神殿からヒントを得てデザインされたのだとか。
1階ではイタリア絵画の潮流を知ることができる貴重な名画コレクション、2階ではナポリに縁が深いナポリ絵画コレクション、3階では近現代美術のコレクションを鑑賞することができます。

この美術館の魅力の一つは、元王宮というだけあってかつて王族が暮らした優雅な内装、美しいサロン、豪華な装飾が保存され、名画と共に華やかな王宮の雰囲気を味わえること。
舞踏会の間や、鮮やかなブルーの壁に黄金の調度品が映える部屋、煌びやかなダイニングルームなどが、美しい空間を作り出しています。


参考イメージ:
Napoli - Museo di Capodimonte


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Photo by Armando Mancini

Photo by Armando Mancini

https://www.flickr.com/photos/armando46/3586290196

そして展示される美術品は、ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、エル・グレコなど蒼々たる面々の名だたる名画が目白押し。

日本の美術館と違い、フラッシュ無しでなら内部も撮影可、そしていつもそれほど混んでいないため貴重な名画を思う存分鑑賞することができるのです。

それでは、筆者のお気に入りをご紹介。


「アンテア」パルミジャニーノ


Photo by WIKIMEDIACOMMONS

Photo by WIKIMEDIACOMMONS

https://commons.wikimedia.org/wiki/Parmigianino#/media/File:Parmigianino03.jpg

美術館の看板娘として、上野に当美術館展が来た際にも絶大な人気を誇った女性の画。
貴婦人とも高級娼婦とも言われていますが、モデルの女性が誰なのかは未だに分かっていません。
何かを秘めたような瞳が謎めいていて惹かれます。
同じくモデルが分かっていない「モナリザ」と何となく似ている気がしませんか?

質感が素晴らしい白いレースのエプロンは、花嫁の象徴とも考えられているのだとか。
対して豊満な胸元とミンクの毛皮が娼婦らしさを匂わせています。
花嫁の清純さと娼婦の淫微さがさりげなく共存しているところも、ミステリアスで良いですね。


「燃え木でロウソクを灯す青年」エル・グレコ


Photo by Web Gallery of Art

Photo by Web Gallery of Art

http://www.wga.hu/index.html

エル・グレコといえば「受胎告知」や壮大な宗教画が多いけれど、筆者はこのロウソク青年がお気に入りです。
ロウソクの暖かい光に照らされた青年の顔をくっきりと描くことで周囲の暗闇がより際立ってみえます。
農家の少年なのか、納屋の中かそれとも部屋か、納屋の中は干し草の匂いが充満して……と、あれこれ想像を巡らせるのが楽しい画です。


「ユディトとホロフェルネス」 アルテミジア・ジェンティレスキ


Photo by Web Gallery of Art

Photo by Web Gallery of Art

http://www.wga.hu/index.html

ユダヤの寡婦ユディトが、悪将軍ホロフェルネスの首を斬って町を救ったというお話の一場面を描いたもの。
注目すべきはこの臨場感と光の描き方。 普通は首を斬った後を描くことが多いのに対し、まさに首を搔き斬らんとするその瞬間を描いているところが特徴的でもあります。

というのも、彼女は光と影の魔術師といわれた天才画家カラヴァッジョの影響を強く受けた一派(カラヴァジェスティ)でした。
その作風の影響は、この画にも色濃く見られます。
なんの躊躇いもなくホロフェルネスの首に刃をたてるユディトの表情には、彼女自身の苦い経験からくる一種の執念のようなものも読み取ることができ、迫力に満ちた画となっています。


「キリストの鞭刑」カラヴァッジョ


Photo by Web Gallery of Art

Photo by Web Gallery of Art

http://www.wga.hu/index.html

そして、筆者の大好きなカラヴァッジョ。
カラヴァッジョの画の圧倒的な臨場感と、光と影の描き方はもはや神業的。
絵の前に立つと、まるでその中に引きこまれてしまいそうな錯覚に陥ります。

彼の画の特徴として、まるで人物にスポットライトが当たっているかのように光を描き分けられるということです。
絶妙なバランスで陰影をつけることで、画そのものにどこからか光が当たっているかのよう。
そして、この美術館のカラヴァッジョ作品の部屋には特別にライティングが施され、彼の画の魅力を一層引き出せる仕組みになっています。



ゆったり鑑賞に浸れるスケジュールで訪ねるのがおすすめ


喧騒から離れた美術館での時間は、ゆったりと流れて行きます。
優雅な王宮で人ごみから逃れ、ひととき美の世界へ心を遊ばせてみてはいかがでしょう。

Information

Museo Capodimonte

カポディモンテ美術館

Via Miano, 2、80137 Napoli,Italy


営業時間:8:30-19:30
定休日:水曜日
URL:http://www.museocapodimonte.beniculturali.it/

情報は掲載時のものです。最新情報は公式サイトなどをご確認ください。

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