ローマ

2015年12月03日

Italyii編集部

必読!面白いほど分かる、イタリア建築様式案内

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イタリアの魅力を高める、美しい建築の街並み。中世から現在まで、さまざまな建築様式の建物が残されていますが、独特の用語でわかりにくいと感じてしまうこともあるのではないでしょうか。そこで、この記事では4つの時代で流行した建築様式を、わかりやすく解説します!

イタリアを訪ねたら知っておきたい、4つの建築様式


イタリアをはじめヨーロッパを観光する時には必ず訪れる数々の教会。
ガイドブック片手に、また現地ガイドさんの説明を聞きながら観光しても、理解するのは難しい!
そう思っていませんか?
とりわけ「バロック」や「ルネッサンス」など必ずと言って良いほど出てくる教会の建築様式を表す言葉は、いくつかの教会を回っているうちに何が何だか分からなくなってきてしまうのが本音です。

しかし、これらは特徴さえ理解してしまえば面白いほど分かりやすく簡単に見分けることができます。
今回は、イタリアを訪れた際によく遭遇する4つの建築様式の特徴を分かりやすくまとめてみました。



ロマネスク様式:ピサ大聖堂(ピサ)


ロマネスクは11世紀~12世紀、古代以降西ヨーロッパ全域で最初に流行した様式です。
教会建築としては最も古いため、ロマネスクの教会は他と比べると簡素で高さも無く、武骨な印象です。

イタリアで見られるロマネスクの代表例は、斜塔で有名なピサの大聖堂。
ロマネスクのキーワードは、ズバリ以下の3つ。
アーチの列、重く分厚い壁、少ない窓。


参考イメージ:Flickrより引用。
Duomo di Pisa


ピサの大聖堂も、壁にずらりとならんだ装飾目的のアーチの列があります。
そして、他の様式の教会と比べれば分かりますが、全体的に箱型で壁が分厚いのが分かるでしょう。
内部に入るとよく分かりますが、窓は小さく数も少ないので内部は仄暗く、シンプルで簡素な印象を受けます。



Photo by HarshLight

Photo by HarshLight

Photo by HarshLight

ゴシック様式:ミラノ大聖堂(ミラノ)


ゴシックは12世紀~15世紀にフランスで生まれ流行した様式です。
ロマネスクの次に発展した様式とあって、ロマネスクを限界まで天に向かって伸ばしたような形をしています。

イタリアではこの様式はあまり流行しなかったため少ないですが、代表例はミラノの大聖堂。
キーワードは以下の3つ。
高さ、尖塔、大きなステンドグラスです。

ミラノの大聖堂も外側に天を突きさすかのような鋭い尖塔が並び、全体的に天に向かって聳えるような印象。
典型的なゴシックの特徴を表しています。



撮影:Italyii ライター

撮影:Italyii ライター


撮影:Italyii ライター

撮影:Italyii ライター


内部はロマネスクと違い無数の細い飾り柱が天井まで伸びて交差し、視覚的に高さを演出します。
また、大きなステンドグラスの窓がたくさん見られます。

しかしフランス発祥のゴシックはイタリアでは嫌われ、“蛮族ゴート族のやり口のようだ”という皮肉から「ゴシック」と呼ばれるようになりました。


撮影:Italyii ライター

撮影:Italyii ライター


参考:Flickrより引用。
P6041496



ルネサンス様式:サンジョルジョ・マッジョーレ教会(ヴェネツィア)


15~16世紀、フランス発祥のゴシックに対抗しイタリアで生まれたのがルネサンス。
ルネサンス発祥の地としてはフィレンツェがとても有名です。
ルネサンス様式の理念は、かつて栄えた古代ローマや古代ギリシャなどの古典的な様式を復活させようということ。

初期の代表例はもちろんフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂ですが、分かりやすい例はヴェネツィア、サンジョルジョ・マッジョーレ教会です。
キーワードは以下の3つ。古代神殿風、ドーム、シンプルなデザイン。


ヴェネツィアの海に浮かぶ、際立つ建築。

ヴェネツィアの海に浮かぶ、際立つ建築。

サンジョルジョ・マッジョーレ教会を眺めると、古代ローマやギリシャの神殿のように列柱が三角屋根を支えています。
そして、凝りすぎずシンプルで合理的な造り。
また、ルネサンスに欠かせない丸いドームも背後にちゃんと見ることができます。


参考:Flickrより引用。
Inside San Giorgio Maggiore


こちらはフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。

こちらはフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。


バロック様式:サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会(ローマ)


17~18世紀、ルネサンスのシンプルさに飽きてきたイタリアで新たに生み出された様式です。
こちらはルネサンスから一転して、これでもかとコッテリした装飾が彩ります。

代表例は、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会。キーワードは以下の3つ。
曲線、装飾、金や色大理石です。

バロックは最も分かりやすいと言えるでしょう。
入った瞬間に、あ、これはバロックだと瞬時に分かります。
まず、全体的にうねうねと熱に浮かされたような曲線が目立ち、彫像たちも動きがあります。
そしてよく言えば絢爛豪華。悪く言えばどぎつく装飾過多。
金色や色大理石を使いとにかく豪華に彩られているのが特徴です。

今度は、俗悪趣味だとフランス側に皮肉られ、“歪んだ真珠”という意味の「バロック」と呼ばれたのです。


参考:Flickrより引用。
Chiesa di Santa Maria della Vittoria


以上、イタリアでよく出会う4つの建築様式をご紹介しました。
こうして整理してみると、どれも同じに思えていた教会にも明らかに特徴があることが分かります。

教会を見学するときには、ぜひこのキーワードに当てはめながら見てみて下さい。
するとガイドさんの言葉にも頷けて、これまでよりずっと教会見学を楽しむことができるでしょう。



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■フィレンツェ:フィレンツェのシンボル。「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」

Information

コラム:イタリア 4つの建築様式解説



情報は掲載時のものです。2016年10月、一部表記を修正いたしました。

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