ヴェネツィア

2017年05月22日

Italyii編集部

ヴェネツィアから行く見どころたっぷり一日旅……パドヴァへの行き方とおすすめスポット

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北イタリアのヴェネト州の街、パドヴァ。古代より交通の要所として栄えた街。現在も商業、学業の街として非常に活気のある街です。歴史遺産も多く、柱廊の連なる趣のある旧市街地は見どころも豊富です。

芸術と大学の町、パドヴァ


パドヴァの街の起源は古代に遡ります。アルト・アディジェ州を源流とし、ヴェネツィアの湾に至るブレンタ川流域の沼地地帯が街の発端です。

パドヴァは年代を追うごとに、その水運を利用した交通の要所として発達してきました。12世紀には当時の権威ある領主によって、現在みられる街の形がほぼ作られています。

水の流れに沿って街全体を囲むように築かれた城壁と、その内外部を結ぶための門と橋などで、街の核が形成されてきました。これらの一部は、現在も日常に利用されているものです。


街の中心には3つの広場がおかれています。その中央にあるのが、当時の裁判所であるラジョーネ宮。旧市街地を少し南に行くと、楕円形をしたプラート・デッラ・ヴァッレという美しい広場に辿り着きます。

その広場沿いには厳格さの漂うサンタ・ジュスティーナ教会が、さらにその近くにはパドヴァの守護聖人「聖アントニオ」が祀られたサンタントニオ聖堂の、貫禄ある姿を見ることができます。

人々からの信仰が厚いことで知られる聖アントニオへの祈りを捧げるため、ヨーロッパ各地から多くの信者が訪れる場所でもあります。


写真:Aki Shirahama

写真:Aki Shirahama

ヴェネツィアからパドヴァに行くなら、鉄道がおすすめ


ヴェネト州で最も有名な観光地であるヴェネツィアから、パドヴァは東側に約40km内陸側にあります。

ヴェネツィア-ミラノ間を結ぶ鉄道は本数も多く、非常に便利な移動手段です。ヴェネツィアから移動するとき、ヴェネツィア・サンタルチア駅からパドヴァ間には、高速列車、ローカル列車と、複数の列車があります。

それぞれの料金・所要時間は次の通り。

◆1:高速列車(フレッチャ・ロッサまたはフレッチャ・アルジェント)利用。
料金:18ユーロ 所用時間: 約26分

◆2:ローカル列車利用。
料金: 4.15ユーロ 所用時間: 各駅停車(レジョナーレ“R”)約49分、急行列車( レジョナーレ・ヴェローチェ“RV”)約26分

上記のように、“RV”と表示される急行列車が安くてお得。途中停車駅は、ヴェネツィア-パドヴァ間でヴェネツィア・メストレ駅の一駅のみです。


乗車時に注意しておきたいのは、座席指定のないローカル列車に乗るとき。

座席指定のある高速列車に乗車の際にはチケット購入後、指定の座席に直接乗車すれば良いのですが、ローカル列車を利用するときは、乗車前に駅のホームにある機械で刻印をする必要があります。緑×白の刻印用の機械がホームの各所に設置してあるので、忘れないように。

また、購入したチケットは利用日が指定されていますので、翌日になると無効になってしまいます。

ただし、ローカル列車同士であれば、日付指定された一日のうち、どの列車に乗っても有効なので、万が一予定していた列車を乗り過ごしても別の列車に乗車できます。


さあ、町歩きへ!見どころ①「スクロヴェーニ礼拝堂」


パドヴァ必見の場所といえば、地元の富裕な高利貸し業だったエンリコ・スクロヴェーニの個人(を含めた一家専用)礼拝堂です。

こちらは、高利貸し業として成功したスクロヴェーニ家が、カトリックの教えによる罪の浄化を目的として14世紀に建てたもの。

内部の壁画は、ジョットとその弟子が描いた素晴らしいフレスコ画で覆われています。3段に分けられた内壁は、キリストの生涯とキリストの母である聖母マリアの生涯、そしてその両親であるヨアキムとアンナの生涯がまるで絵巻物のように描かれており、礼拝堂入り口の壁には壮大な「最後の審判」も描かれています。


入場には電話またはインターネットでの事前予約が必要で、当日にバウチャー(予約確認券)とチケットを交換する必要があります。受付は、礼拝堂のあるエレミターニ公園(ピアッツァ・エレミターニ)内のエレミターニ市立博物館入り口。予約時間の30分ほど前に着くよう、余裕を持って行くのがおすすめです。

見学は一斉入場方式で、15分間のビデオ鑑賞の後に15分間の礼拝堂見学となります。


【スクロヴェーニ礼拝堂】
料金: 13ユーロ(礼拝堂の他、エレミターニ市立博物館入場等も含む) 所用時間: 30分
公式サイト:http://www.cappelladegliscrovegni.it


さあ、町歩きへ!見どころ②「ラジョーネ宮と朝のメルカート」


街の中心は、ラジョーネ宮(パラッツォ・デッラ・ラジョーネ)です。

ここは12世紀以降、市庁舎兼裁判所として人々の生活、政治、経済の中心となってきました。内部が大きな広間(サーラ)となっていることから、地元の人は「サローネ」と通称し、街のシンボルとして親しまれています。

頻繁にアートの展示場になることもありますが、ガランとした空間を覆う占星術をモチーフにしたフレスコ画が圧巻です。この広間自体がいびつな台形になっているのも面白いところです。

この建物の下は、地元ならではの食材がずらりと並ぶ商店街になっています。さらに、この建物の南北に位置する広場(エルバ広場、フルッティ広場)も、野菜や果物を毎朝販売している露店が出るメルカートになります。

まさしく、パドヴァ市民の台所。メルカートは日曜を除く午前中に開かれていますので、活気ある地元の人たちの食事情を覗いてみてはいかがでしょうか。


写真:Aki Shirahama

写真:Aki Shirahama

さあ、町歩きへ!見どころ③「サンタントニオ聖堂とプラート・デッラ・ヴァッレ」


街を代表する聖堂が、パドヴァの守護聖人でもある聖アントニオが祀られているサンタントニオ聖堂です。こちらは、アントニオが亡くなった1231年の翌年から建築が始まり、16世紀に完成しました。

オリエンタルなムードのある、8本の丸い屋根(クーポラ)が特徴的な外観です。聖堂内は非常に豪華な装飾が施されており、聖アントニオの舌や声帯、棺に納められていた聖遺物などを見ることができます。

お墓の置かれた礼拝堂などは、非常に熱心な信者たちが参拝している様子を見ることもできますよ。

聖堂の正面を出て少し歩くと、大きな楕円形をした広場プラート・デッラ・ヴァッレが見えます。美しい広場にはお堀で囲まれた芝生があり、それに沿うように78体の彫刻が立っています。

この彫刻はパドヴァにゆかりのある人物像で、ガリレオ・ガリレイ、フランチェスコ・ペトラルカ、ダンテ、ジョットなども含まれています。

毎週土曜日は雑貨市が、毎月第3日曜日にはアンティーク市が開かれています。


写真:Aki Shirahama

写真:Aki Shirahama


写真:Aki Shirahama

写真:Aki Shirahama

パドヴァは歴史ある大学の街でもあります。13世紀に端を発するパドヴァ大学には、宗教や民族の壁を持たず、学問・思想を寛容に受け入れようとする開かれた姿勢があったとされています。

15世紀以降はカトリックからの圧力によって保護される環境下にあったことから、大学の個性化や進化が特に著しい時代でした。同大学に教授として18年間も席をおいていたガリレオ・ガリレイは後に、「パドヴァでの人生が最も充実した生涯」と記したほどです。

16世紀には世界初の人体解剖室を持ち、現代医学の発達に多大な影響を与えました。現在も、当時のまま残された解剖学教室が見学できます。

美しく彫刻が施された教室はびっくりするほど狭いのですが、当時の学生たちの様子、そして当時の解剖学に対する世間体や外聞などを知ることができます。

見学には必ずガイドがつきます(伊・英・独・仏語対応)ので、裏話を聞きながら楽しむことができますよ。

なお、曜日によって見学可能な時間が変わりますので、スケジュールにはご注意ください。

【パラッツォ・ボー】
入場時間:(月・水・金)15:15、 16:15、 17:15
(火・木・土) 9:15、 10:15、 11:15
料金: 7ユーロ 所用時間: 約45分
パラッツォ・ボー公式ページ:http://www.unipd.it/en/university/cultural-heritage-0/palazzo-bo-and-anatomical-theatre


さあ、町歩きへ!見どころ⑤世界遺産「オルトボタニコ(植物園)」


1997年にユネスコ世界遺産に登録された、世界最古の大学付属の植物園です。16世紀以降にヴェネツィア共和国の決議により、パドヴァ大学付属として薬学研究のために開園しました。

海洋貿易で栄えたヴェネツィアという特異性を生かして国外からの植物も多く持ち込まれ、この時代における同学問の飛躍的な進歩に貢献したと言われています。

珍しい価値ある植物が植栽されているために盗難の被害が多く発生したところから、現在のような楕円形の壁や噴水、配置なども考慮された植物園になりました。

もちろん現在も「大学付属」という機能は受け継がれており、研究機関や学習的機能も兼ね備えた素晴らしい施設として存在しています。

【オルトボタニコ】
料金: 10ユーロ 開園時間: 9:00-19:00
公式サイト:http://www.ortobotanicopd.it


パドヴァの美味しい店に行こう!


街中には美味しい地元料理が楽しめる飲食店が多くあります。ほんの一部ですが、厳選した3軒を紹介します。


「Ristorante Belle Parti(リストランテ・ベッレ・パルティ)」


街の中心に位置する料理店。

ポルティコ(柱廊)の下のひっそりとした小さな間口から入る店内は、素敵なインテリアが印象的な落ち着く空間です。エレガントでありながら、リラックスして食事が楽しめますよ。季節の素材を繊細に味付けした料理がおすすめ。

公式サイト:http://www.ristorantebelleparti.it


魚介の前菜の盛り合わせ。地元料理をベースとした優しい味わいです。 写真:Aki Shirahama

魚介の前菜の盛り合わせ。地元料理をベースとした優しい味わいです。 写真:Aki Shirahama

「Osteria l’Anfora(オステリア・ランフォラ)」


大衆的なオステリア。

食事どき以外にも、飲み屋代わりに使う地元の男性でいつも賑わっています。地元感抜群な雰囲気も心地良いですよ。地元料理を大衆的な雰囲気のなかで味わいたい人にオススメ。

参考:Facebookページ(スポットとして機能):https://www.facebook.com/pages/Osteria-lAnfora/161292750563482


「Antica Trattoria dei Paccagnella(アンティーカ・トラットリア・パッカニエッラ)」


サンタントニオ聖堂の近くに位置するレストラン。

パドヴァの郷土料理が味わえます。パドヴァ名物のガッリーナ(雌鶏)のサラダ、太いパスタの一種「ビーゴリ」など、クラシックな地元料理を楽しみたい方にぴったり。

公式Facebookページ:https://www.facebook.com/AnticaTrattoriaDeiPaccagnella/


ガッリーナ・パドヴァーナ(パドヴァ鶏)のサラダ。パドヴァの名物料理。 写真:Aki Shirahama

ガッリーナ・パドヴァーナ(パドヴァ鶏)のサラダ。パドヴァの名物料理。 写真:Aki Shirahama

パドヴァーニ(パドヴァの人)風に……超人気B級グルメ


最後に、パドヴァーニ気分で楽しめるとっておきの屋台料理をご紹介しましょう。


「La Folperia(ラ・フォルペリア)」


地元の人々に愛されている名店。

街の中心地、ラジョーネ宮の南側のフルッティ広場(ピアッツァ・デイ・フルッティ)で夕方にオープンする、茹でタコの屋台です。広場の一角の赤いひさしが目印で、いつでも人だかりができているのですぐに見つけられるはず。

魚介をベースにしたいろいろなお惣菜もあるのですが、ここの名物は大きな鍋で茹でたタコ。

注文すると、適当な大きさのものを鍋からすくいあげ、一口大にブツブツと切ってパセリやニンニクの効いたオイルのソースと、レモンをたっぷりとかけてくれます。

屋台のそばで、楊枝でつついていただくのが地元流。隣にあるバールでプロセッコ(地元の発泡白ワイン)を頼んで、一緒に味わってもいいですね。

夕暮れ時の楽しいひと時になること間違いなしです。


公式Facebookページ:https://www.facebook.com/la.folperia/


屋台でいただく茹でタコ。地元らしい雰囲気が楽しめます。 写真:Aki Shirahama

屋台でいただく茹でタコ。地元らしい雰囲気が楽しめます。 写真:Aki Shirahama

パドヴァにはオススメのスポットがまだまだたくさんあります。ヴェネツィア滞在中の小旅行として、ぜひ足を運んでみてくださいね。

※本文中の各施設情報および列車に関する情報は、2017年4月現在のものです。


写真・執筆:Aki Shirahama
Aki Shirahamaブログ「パドヴァのとっておき。」(外部サイトに移動します)


※編集部追記:初出時、「ヴェネツィアからパドヴァに行くなら、鉄道がおすすめ」の項目につきまして表現に誤りがございました。正しくは下記となります。このたびはご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません。

「乗車時に注意しておきたいのは、座席指定のある高速列車に乗るとき。」⇒「乗車時に注意しておきたいのは、座席指定のないローカル列車に乗るとき。」

「チケット購入後、指定の座席に直接乗車すれば良いのですが、ローカル列車を利用するときは、乗車前に駅のホームにある機械で刻印をする必要があります。」⇒「座席指定のある高速列車に乗車の際にはチケット購入後、指定の座席に直接乗車すれば良いのですが、ローカル列車を利用するときは、乗車前に駅のホームにある機械で刻印をする必要があります。」


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情報はライター執筆時のものです。

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