ヴェネツィア

2017年03月15日

Italyii編集部

愛する想いを伝え合う日。サン・ヴァレンティーノの日は街も華やかに。

835View

イタリアにおけるバレンタインデーは「サン・ヴァレンティーノの日」と呼ばれ、特別な日とされています。日本では、主に女性から男性へチョコレートなどのお菓子をあげる日として定着していますが、イタリアでは男女の区別なく、お互いの想いを伝え合う日となっています。その光景を、ヴェネト州在住ライターがご紹介。

2月14日といえば、バレンタインデー。愛の誓いを交わす日、とされています。イタリアでも、この日は「サン・ヴァレンティーノの日」と呼ばれ、愛の聖人の象徴として恋人同士、夫婦、愛する者同士の間では特別な日になっています。


サン・ヴァレンティーノの由来とは


サン・ヴァレンティーノ(聖ヴァレンティーノ=聖ヴァレンティヌス)は、ウンブリア州のテルニという町に由来する聖人です。ただし、同聖人が愛の象徴として知られているのには、諸説があるようです。

そのうちのひとつには、ローマ帝国皇帝により兵士の士気が下がるという理由で禁止されていた兵士の婚姻を、後のサン・ヴァレンティーノが内緒で取り持っていたことで教皇の怒りを買って処刑された、ということ。
そして、その処刑の日が、愛の女神として知られるジュノーネ(ユノ)の祭日である2月14日があえて選ばれたことにより、この日が同聖人の日となったとされています。


カレンダーに記される守護聖人


このように、2月14日は、サン・ヴァレンティーノの日とされますが、カトリック教会では伝統的な信仰として「守護聖人」という存在があり、カレンダー上には毎日違った聖人が記されています。
聖人とは、職業や地域にゆかりのある聖職者などが、長い時間をかけての審査を経た後、教皇により認定された人のこと。聖人として認められるには、なにかしらの奇跡を起こした、社会貢献やキリスト教の布教活動に生涯を捧げた、もしくは布教活動に貢献したなどの功績が必要です。

カレンダー上に記される各日の聖人は、各人の殉職の日や命日をもとにして定められています。そして、各都市には、必ずその地域の守護聖人が存在します。町のメインとなる教会にはその聖人が祀られ、その聖人のあたる日は祝日となっているのです。有名なところだと、ローマのサン・ピエトロ、サン・パオロ、ヴェネツィアのサン・マルコ、シエナのサン・カテリーナ、アッシジのサン・フランチェスコ…等々が挙げられます。

ちなみに、イタリア人の名前は、聖人の名前からとられることが多い(※)のですが、カレンダー上に自分の名前のある聖人の日が来ると周囲から祝福を受けるのが通例です。

※編集部註:イタリア人の典型的な名前は男女ともに聖人の名前からとられる傾向です。ただし、現在では海外の名前をイタリア語でアレンジしたものや、変わったモチーフをもとにした名前を付ける方もいます。


2月14日の当日には……


この日は、愛する者同士が「ブオン・サン・ヴァレンティーノ(バレンタインデーおめでとう、素敵なバレンタインデーを)」と声をかけあいます。男性から女性へ、またはその反対から、といった決まりはなく、お互いに思いを確かめ合う、というもの。
一般的には、お花を贈ったり(赤いバラが多い)、プレゼントを贈ったりするきっかけの日となります。


素敵な花屋の店先は少しだけ春の香りのする季節です

素敵な花屋の店先は少しだけ春の香りのする季節です

真っ赤なバラの花がこの日は特に目立ちます

真っ赤なバラの花がこの日は特に目立ちます

サン・ヴァレンティーノの日に、相手に贈るプレゼントはジュエリー、下着、チョコレートなどの甘いお菓子等が代表的なものとして挙げられます。
また、レストランでは特別ディナーなどを設定することも多いです。
この日が近づくと、各店からの特別ディナーのお誘いも届き、実際に各店とも当日は予約でいっぱいになります。

さぞロマンティックな夕食なのでしょうね……(私はこの日に食事に誘われたことがないので、残念ながら実際に経験したことはないのです)。


私の町の2月14日は、こんな感じ


朝から街に出てみて、一番目につくのは、お花屋さんがいつもと違うことです。イタリアでは、男性から女性に花を贈るというシーンは比較的多いものですが、2月14日もそのうちの1日。
いつもの朝の市場に出ている花屋さんは、露店ということもあり素っ気なさはありますが、確実にサン・ヴァレンティーノ仕様となっていました。


市場にある露店の花屋さん。素朴な感じが良いですね

市場にある露店の花屋さん。素朴な感じが良いですね

ここでもやはり赤いバラが……

ここでもやはり赤いバラが……

普段よりも確実に多く目につく男性客は、パートナーのことを想い、花束を購入しているのでしょう。いつもセンスが抜群な街の花屋さんも、この日はショーウインドウをさりげなく、愛の誓いの日の仕様に。

花屋さんから颯爽と出てきた、とても大きな花束を抱えた男性の後ろ姿が印象的です。


大きな花束を抱えた男性。これから奥さまの元へ帰るのでしょうか?

大きな花束を抱えた男性。これから奥さまの元へ帰るのでしょうか?

甘くて美味しいお菓子を売る地元のお菓子屋さんのショーウインドウも、この日は赤く飾られます。


街中のお菓子屋さんのショーウインドウ

街中のお菓子屋さんのショーウインドウ

ハートを型どったお菓子。模様も可愛らしいですね

ハートを型どったお菓子。模様も可愛らしいですね

こちらはパン屋さんの店先。サン・ヴァレンティーノ用のお菓子が用意してありますよ、とメニューでも案内しています

こちらはパン屋さんの店先。サン・ヴァレンティーノ用のお菓子が用意してありますよ、とメニューでも案内しています

チョコレートを中心に、象徴のハートを模したお菓子が街のあちこちに配されていました。
日本だけでなく、サン・ヴァレンティーノ商戦はこの街にも存在しています。

執筆・写真:Aki Shirahama
Aki Shirahamaブログ「パドヴァのとっておき。」



Italyii 関連記事:こちらもいかがですか?


カトリック圏のイタリアならではの文化が垣間見える、季節行事のコラムをセレクトしました!

■シチリア島の心躍る陶器の街、カルタジローネ

■春の到来を告げる♪ 見た目にもおいしい「カーニヴァルのお菓子」

■イタリアの冬には魔女が来る!? ナターレを締めくくる「ベファーナ」とは?

Information

コラム:サン・ヴァレンティーノの日



各種情報はライター執筆時のものです。

PICKUP

根強い人気のある記事をピックアップしました!